自己紹介

神奈川県茅ケ崎市で受験国語専門の国語塾を主宰しています。
HPは、http://www.kokugojyuku.com/ です。
mixiでは、ねぎぼうずの名前で日記を公開しています。

2008/10/13

灘中学の国語

灘中学の国語の試験は、二日間にわけて行われます。
全国屈指の名門、灘中の問題だから、ものすごく難しいのかと思いますが、
そうでもありません。
しかし、この中学は、中学生の国語力=語彙力と見定めているところがあり、
多彩な言語関係の問題を出題することで
受験生の語彙力をはかっているようです。

H16の一日目の問題では、
ことわざの意味が6つ書いてあり、そのあとに鳥の名前が8種でています。
たとえば、「すばやく入浴すること」という意味があったら、
その意味にあうことわざにでてくる鳥を答えさせるのです。
(答えは、「烏」(烏の行水)です)

私の主宰する塾は関東圏所在ですから、灘を受ける生徒はいませんが、
6年生には、受験校に関わらず、灘の過去問を解かせて、
語彙力チェックをしています。
はじめは、全くお手上げでした。問題の意味すらわからない。
しかし、四谷大塚の「四科のまとめ:国語」の慣用句や諺の単元を毎週宿題とし、
何度も何度も確認テストして数ヶ月すぎたこのごろ、
生徒たちがやっと灘の問題に対応できるようになってきました。

このことから考えると、語彙力をつけるというのは簡単なことではないのですが、
結局のところ、「暗記すべき事項を頭にたたきこむ→応用する」というシンプルな訓練が大事なのだと思います。

2008/10/11

開成中学H18

開成中学H18には、 主人公が自分の経験を他人事のように話す文がでてきます。
学校側は、ちらりとでてくるこの不思議な文をのがさず 問題として設定しています。

なぜ、他人のように書いているのか

その理由を改めて問われても、小学生ではなかなか思うように答えることができません。

現実からみたときの過去の認識を問われているのですが、
この場合、
「小さいときの気持ち」→混沌としていて、よくわかっていない
「大人になって振り返ったときの気持ち」→幸せであったことに気づく
の二つをおさえる必要があります。

本文最後の一文に
『私、「前途有望な少年」であったのだ!』とありますから 、この「も」を意識して「他の少年たちのように自分も」というニュアンスを書き加えることができれば 、なおよいでしょう。

2008/10/10

開成中学H16

H16開成中学の国語は、椎名誠氏の「蚊学の書」が出題されました。
気楽に読む読み物なら、とても楽しい文章ですが、
受験問題となると、文章量が膨大で、実際この年の合格者平均は40.1であり、 例年になく低い点数となりました。

問4では、「神島」で出会った「蚊」に対する筆者の「思い」を読み取らせています。
この場合、「神島」という言葉を本文を検索すると、
「神島」の伝説がきちんと述べられていることがわかりますが、
生徒から見ると、いきなり「神島」などといわれて、混乱する問題でもあります。

「神島」を説明している段落は一つなので、
そこをうまくまとめれば答えにたどりつくことができますが、
「蚊」にとらわれてしまっているので、
「島」の説明を軽く読み飛ばしてしまうようです。

本文の主旨と一見関係なさそうな段落を読み取らせる開成の技ありの問題といえるでしょう。

「蚊」の襲撃をうけたのは、
年配者でなかったこと
神に参拝しなかったこと
の二点をおさえるとよいでしょう。